競輪の地元とは?地元有利の番組&地元3割増しの格言を解説

競輪の地元とは?地元有利の番組&地元3割増しの格言を解説

競輪は人間がモロに出てくるスポーツ。サッカーと同様に、アウェイよりもホームの方がパフォーマンスが上がるという噂が、まことしやかに流れています。

その噂を実証するかのように、競輪には「地元3割増し」という格言が存在しています。

ここでは、競輪における地元の定義を確認しつつ、本当に地元開催は有利に働くのか?過去のデータを基に分析しました。

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目次

競輪の地元とは?

競輪選手は、公益財団法人JKAへの登録時に「所属する都道府県」と「ホームバンク(地元競輪場)」を登録する必要があります。

JKA(公益財団法人日本自転車競技会)とは

自転車競技法に基づく競輪競技を円滑に行うために設立された公的機関。

この登録された都道府県とホームバンクが、選手にとっての「地元」として扱われることに。都道府県ごとの地元競輪場など、詳細は以下にて解説します。

地元競輪場の定義

競輪の地元とは?「地元競輪場の定義」
KEIRINJPのホームバンク記載欄

競輪選手にとっての「地元競輪場」は、以下の基準によって決まります。

  1. ホームバンクとして登録している競輪場。
  2. 普段の練習で主に使用している競輪場。

最も優先される項目が、ホームバンク登録している競輪場。ホームバンク登録していない選手については、普段練習で使用している練習場がホームバンクとして扱われることに。

たとえば、2024年の賞金王である古性優作は、所属府県が大阪府となっていますが、ホームバンクの登録は行っておらず。しかし、普段は岸和田競輪場で練習しているため、岸和田競輪場が地元競輪場となります。

なお、全国の中には競輪場が存在しない都道府県もあり、その場合の該当選手には”地元競輪場はなし”という扱いが適用されます。

競輪選手における地元

地区ホームバンク
北日本北海道函館
青森青森
宮城なし
秋田なし
福島いわき平
岩手なし
山形なし
関東茨城取手
栃木宇都宮
群馬前橋
埼玉大宮
西武園
東京京王閣
立川
新潟弥彦
長野なし
山梨なし
南関東千葉松戸
千葉
神奈川川崎
平塚
小田原
静岡伊東温泉
静岡
中部愛知名古屋
豊橋
岐阜岐阜
大垣
三重松阪
四日市
富山富山
石川なし
近畿福井福井
滋賀なし
京都向日町
奈良奈良
和歌山和歌山
大阪岸和田
兵庫なし
中国岡山玉野
広島広島
山口防府
島根なし
鳥取なし
四国香川高松
徳島小松島
高知高知
愛媛松山
九州福岡小倉
久留米
佐賀武雄
長崎佐世保
大分別府
熊本熊本
鹿児島なし
宮崎なし
沖縄なし

上記は都道府県ごとのホームバンク(地元競輪場)を示した表。

神奈川県は川崎競輪場・小田原競輪場・平塚競輪場の3ヶ所。東京・埼玉・静岡・愛知・岐阜・三重・福岡には、それぞれ2ヶ所の競輪場が存在しています。

一方で、宮城・秋田・岩手・山形・長野・山梨・石川・滋賀・兵庫・島根・鳥取・鹿児島・宮崎・沖縄の14ヶ所には競輪場が存在せず。

競輪場は自治体の運営であるため、地域全体のバランスを考慮して配置されているわけではなく、人が集まりやすい都市部や交通の便が良い地域を中心に整備が進められてきました。

たとえば、広大な土地を有する東北エリアで競輪場が設置されているのは、青森県と福島県だけ。競輪場の数が限られているため、ホームバンクを持つ選手は、地元で練習や出走を行える環境に恵まれている訳です。

準地元が存在する選手も

競輪には「準地元」という概念があります。

準地元とは、過去にゆかりのある土地に存在する競輪場のこと。

たとえば、会社員が単身赴任先や出張先に愛着を持ち、「第2の故郷」と感じるように、競輪選手にも本来の地元とは別に、そうした「第2のホーム」と呼べる場所が存在します。

S級1班に所属する小原佑太。彼の所属は青森県ですが、朝日大学時代は岐阜競輪場で練習をしていたため、岐阜競輪場を準地元として活動中。

多くの競輪選手は、学生時代に自転車競技部に所属しているため、通っていた学校の所在地にある競輪場を準地元とするケースも少なくありません。

地元有利の格言「地元3割増し」は本当?

競輪には「地元3割増し」という格言があります。

「ホームバンクでの開催となる選手は、通常の開催よりも活躍する確率が高い」という傾向を示した言葉で、実際のデータからも、地元は有利であることは既に証明済み。

ここでは、「地元3割増し」という言葉が生まれた背景を解説し、実際のデータをもとに、どの程度レースを有利に進められるのかを数値で検証していきます。

バンク傾向を熟知

地元選手は、日々の練習をホームバンクで行っているため、ホームバンクの特徴について熟知しています。

  • カントの角度から実際の速度感覚を理解。
  • 脚を使う(踏み出す)タイミングを理解。
  • 捲りのタイミング(仕掛けどころ)を熟知。

競輪場は同じような形状に見えますが、細部に関わる部分で違いがあります。

たとえば、カント(傾斜)が緩いバンクでは、先頭を走る選手にとって不利になります。この特徴を理解している選手なら、コーナーではなく直線で先行選手を捲りにかかるなど、スパートのタイミングをより正確に計ることが可能に。

地元の選手は上記のような攻略法を、データ・頭・肌感覚で覚えているため、他のバンク以上のパフォーマンスを発揮することが出来るわけです。

声援・ヤジによる精神的な影響

意外にも競輪選手のパフォーマンスに大きく影響する「ファンからの声援とヤジ」。

たくさんの応援を貰えばパフォーマンスが上がり、心無い誹謗中傷を浴びればパフォーマンスは下がる。選手も一人の人間なので、感情の上下によってプラスにもなれば、マイナスにもなります。

地元開催では、人一倍多くのファンから声援を受けるだけでなく、親族や友人の来場によって精神面が安定しやすい傾向に。

その結果、普段通りの冷静な判断と集中力を保ちやすく、ホームの選手が持てる力を最大限に発揮する場面が多く見られます。

ちなみに競輪は公営ギャンブルという側面がある事から、選手はファンからの声援に応えることは禁止。口汚いヤジを浴びても、反応することは許されません。

選手たちは平気な顔をしてレースに集中しているように見えますが、言われたことは頭に残っているようで、様々な思いを抱えながらレースに臨んでいるのだとか。

地元選手に有利な番組編成で強力ラインに

地元開催が有利だと言われる最も大きな理由が、「地元選手に有利な番組構成」であること。

開催における出場選手の選定や、各レースにどの選手をレースに出場させるかは、開催元である競輪場の”番組屋”がセッティングを行います。

当然のことながら、開催元には地元開催を盛り上げたいという意図があります。そのため、地元選手が勝ちやすいメンバー構成で、レースを組むわけです。

強力なラインを組めるようなメンバー構成でレースを走れるわけですから、自ずと地元選手の成績は良くなることに。

ただ、地元選手だからと言って、全員が番組屋の恩恵を受けるわけではありません。

弱い選手が優遇されることは稀で、地元でも実力のある選手・人気のある選手を勝たせるための番組が組まれることがほとんど。弱肉強食の厳しい勝負の世界である競輪、世の中そんなに甘くはありません。

モト

開催元は多くの売上を上げるために番組を組む。地元の人気選手が勝ちあがれそうなメンバーでのレースが一番売れる、という裏事情もあるぞ!

人間関係が大きく影響

競輪は人間関係が大きく影響する競技。地元選手には、「地元での開催を盛り上げよう」という心理状態が働きます。

人気選手や強い選手を後ろにして先行する場合、前を走る先行選手は追込の選手を勝たせるため、自身の成績度外視で全力の踏み込みを見せることもしばしば。

他地区から遠征してくる選手も、こういった関係性を理解しているため、激しい接触は避ける傾向に。普段、気性が荒く、横の動きが激しい選手でも、地元の選手に対してのチャージはマイルドになります。

かつては、他地区の選手が地元選手を落車させたときは、報復措置を受けることがありました。”生きて帰れない”と言われた時代もあり、選手たちは怯えていたのだとかw

現在はそこまでハードボイルドなことはないと思いますが、競輪界の文化として今も根付いていることは間違いありません。

裏の競輪道

競輪界には暗黙のルールとして知られる競輪道が存在。

  • 先行選手がバテたら、勝負を邪魔しないように静かに下がる。
  • 最後のコーナーを過ぎるまでは、ラインの先行選手を交わさない。

数多ある競輪道ですが、地元選手に対する競輪道のなかに以下のような言葉があります。

『ここ一発の勝負どころで、地元選手に対して無茶をしない』

競輪は、全国43ヶ所に存在する競輪場によって成り立っている競技。地元に花を持たせる暗黙のルールも存在するようです。

これをやらせと取るのか、人間味と取るのか…。いずれにしても、競輪で勝つためにはこういった裏事情をしっかりと頭に入れておく必要があります。

地元は選手の心の拠り所

競輪選手は1年中、全国を転戦して走る競技。

『トレーニング→移動→レース』というループを繰り返す生活は選手にとってかなりキツく、心身共にタフでないと戦っていけません。

そんな選手にとって、地元は心の拠り所になっています。

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