競輪界における真夏の祭典「サマーナイトフェスティバル」。
酷暑が続く日本において、暑さが和らぐナイター開催となる名物G2。過去には夏男・お祭り男が勝利を収めており、レースの傾向にも大きな特徴が。
ここでは、サマーナイトフェスティバルの出場基準や歴代優勝者・売上などのデータを公開。レースの特徴も解説していきます。
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サマーナイトフェスティバルとは?
サマーナイトフェスティバルは、毎年7月に行われるG2レース。
6月に開催されるGI高松宮記念杯と8月に開催されるGIオールスター競輪。2つのGIレースの間隔が2ヶ月あることから、間となる7月に開催されることに。
サマーナイトフェスティバルは2005年に新設されたレースで、同じG2レースである共同通信社杯と比較すると歴史が浅く、年々変化を遂げることになります。
ここでは、選手の選考基準・レースプログラム・獲得賞金など、レースの概要を解説します。
出場選手の選考基準

- S級に在籍
- 選考期間中、24回以上の出走(S班・国際競走出場者は除く)
- 選考期間中、F1・F2レースでの欠場回数が2回未満。
- 選考期間中、F1・F2レースでの失格回数が3回未満。
サマーナイトフェスティバルの出場するには、上記の前提条件が必要に。※選考期間は2024年11月から2025年4月までの6ヶ月間。
以下、優秀な成績を残した選手・競輪界へ貢献した選手を筆頭に選抜されます。
S級S班に在籍している選手は、最優先で出場権を獲得。
- 古性優作
- 清水裕友
- 脇本雄太
- 郡司浩平
- 新山響平
- 岩本俊介
- 眞杉匠
- 平原康多
- 犬伏湧也
2024年にパリ五輪の代表となった選手は、優先順2番目で出走権が与えられることに。
- 太田海也(S級2班)
- 小原佑太(S級1班)
- 窪木一茂(S級2班)
- 中野慎詞(S級2班)
- 橋本英也(A級2班)
- 今村駿介(アマチュア)
- 長迫吉拓(アマチュア)
A級の橋本英也、アマチュアの今村駿介、長迫吉拓には出場権がないため、太田海也、小原佑太、窪木一茂、中野慎詞の4人が選出。
2024年競輪グランプリ優勝者古性優作には出場権が与えられます。(S班に所属するため、最初の要綱で出場権獲得)
2024年GI優勝者は出場権が与えられることに。(S班に所属するため、最初の要綱で出場権獲得)
- 郡司浩平:全日本選抜競輪
- 平原康多:日本選手権競輪
- 古性優作:オールスター競輪、寛仁親王牌競輪
- 脇本雄太:競輪祭
高松宮記念杯を勝利した北井佑季は、ドーピング違反のためS班はく奪。出場権はありません。
2024年G2優勝者にも優先権が付与。
- 眞杉匠:共同通信社杯、サマーナイトフェスティバル
- 脇本雄太:ウィナーズカップ
- 纐纈洸翔:ヤンググランプリ
2024年G3優勝者にも優先権が付与。
芦澤辰弘、阿部将大、犬伏湧也、大西貴晃、大矢崇弘、嘉永泰斗、郡司浩平、古性優作、小林泰正、坂井洋、佐々木眞也、佐々木悠葵、志田龍星、清水裕友、新山響平、鈴木竜士、新田祐大、深谷知広、福田知也、眞杉匠、松井宏佑、松浦悠士、松本貴治、窓場千加頼、山口拳矢、山崎賢人、山崎芳仁、吉田拓矢、脇本雄太、和田真久留。
対象者は上記の通り。
F1優勝者には優先出場権を付与。
- 優勝回数上位者を基に選抜。
- 優勝回数が並んだ場合は、選考期間における平均競走得点上位者を選抜。
1~7の優先出場権を行使したのちに出場枠が埋まらない場合は、平均競走得点上位者から選抜。※同点の場合は選考期間における選考用賞金獲得額上位者。
特徴は、G3・F1優勝者も選抜条件に入っている点。平均競走得点が高くても、勝ち切れずに上位着順を狙うようなマーク屋は選ばれない可能性も。
特別選抜予選への出場要綱も上記と同様。上位27人が出場できることに。
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特別選抜予選は無条件で2次予選への出場が確定。3着以内に入れば、準決勝への出場が確定するシードレースだ。
レースプログラム


サマーナイトフェスティバルは勝ち上がり方式のトーナメント。
- 1日目
-
- 特別選抜予選:3レース
- 1次予選:9レース
- 2日目
-
- アルタイル賞:1レース
- 2次予選A:3レース
- 2次予選B:3レース
- 選抜:5レース
- 3日目
-
- 準決勝:3レース
- 特選:3レース
- 選抜:3レース
- 一般:3レース
- 4日目
-
- 決勝:1レース
- 特選:4レース
- 選抜:4レース
- 一般:3レース
4日間のプログラムで、全日12レース開催されます。
- 決勝戦進出条件
-
- 準決勝3着以内
- 準決勝進出条件
-
- アルタイル賞出場選手全員
- 2次予選A 4着以内
- 2次予選B 2着以内
- アルタイル賞進出条件
-
- 特別選抜予選3着以内
- 2次予選A進出条件
-
- 特別選抜予選4~6着
- 1次予選2着以内
- 2次予選B進出条件
-
- 特別選抜予選7着以下
- 1次予選3~4着
勝ち上がり条件は上記の通り。
2次予選はA・Bと2種類あり、イレギュラーなプログラムに。決勝・準決勝へ進出するチャンスが広く設けられています。
優勝賞金と2着以下の賞金
着順 | 賞金 |
---|---|
1着 | 29,000,000円 |
2着 | 14,630,000円 |
3着 | 8,170,000円 |
4着 | 4,642,000円 |
5着 | 3,439,000円 |
6着 | 2,842,000円 |
7着 | 2,681,000円 |
8着 | 2,529,000円 |
9着 | 2,386,000円 |
優勝賞金は2900万円。
近年の競輪グランプリ出場ライン(賞金ランキング9位)は8000~9000万円。サマーナイトフェスティバルの優勝賞金2900万円を獲得すれば、グランプリへの出場に大きく前進することに。
過去の優勝賞金と傾向


年 | 優勝賞金(副賞込) |
---|---|
2025 | 2900万円 |
2024 | 1570万円 |
2023 | 1400万円 |
2022 | 1280万円 |
2021 | 1113万円 |
2020 | 1120万円 |
2019 | 1100万円 |
2018 | 1110万円 |
2017 | 1110万円 |
2016 | 1040万円 |
2015 | 1100万円 |
競輪の売上が不調だった2010年代は優勝賞金1100万円前後の設定でしたが、インターネット販売が主流となり、売上が上昇してからはサマーナイトフェスティバル優勝賞金も徐々に上昇。
2025年は2900万円と賞金が跳ね上がり、共同通信社杯・ウィナーズカップとほぼ同額に。
レースの開催日程
年 | 日程 | 開催 |
---|---|---|
2025 | 7月18~21日 | 4日間 |
2024 | 7月13~15日 | 3日間 |
2023 | 7月15~17日 | 3日間 |
2022 | 7月16~18日 | 3日間 |
2021 | 7月16~18日 | 3日間 |
2005年に始まったサマーナイトフェスティバル。
初年度から2014年までは2日間での開催。2015年から3日間の開催と変更になり、2024年まで行われていました。
2025年からは4日間開催に拡張。他の特別競輪と同じ条件となったことで、優勝賞金も大きく上昇することに。
サマーナイトフェスティバル独自のルール
サマーナイトフェスティバルには他の特別競輪には存在しない独自のルールも。
レースを見る前に覚えておきたい独自ルールについて解説します。
2種類の二次予選が存在
サマーナイトフェスティバルの二次予選は2種類存在。
一般の特別競輪では二次予選は1種類。GIの最高峰である日本選手権では、二次予選として全員が通過できるゴールデンレーサー賞(二次予選)と一般の二次予選が設置。
一次予選4着以下の成績となった選手は、二次予選に出場できず、決勝進出への道が閉ざされます。
サマーナイトフェスティバルでは、一次予選2着までに入った選手は二次予選Aに。一次予選3,4着の選手は二次予選Bに進出。
一次予選で4着以内に入れば、二次予選に進出できるという特別ルールが存在します。
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準決勝から決勝戦への進出条件は、他GIと同様に3着以内に入ることなんだ。
2日間開催のG2レース
サマーナイトフェスティバルは開始当初は「2日間開催」でした。
通常のGI・G2では4日間以上で開催されており、サマーナイトフェスティバルは特殊な日程で行われていました。
2日間開催であったため、勝ち上がり方式も特別。初日の予選で1~9レースを行い、1着となった選手が決勝戦へ進出。2連勝した選手が優勝するという極めてシンプルな制度でした。
2015年からは3日間開催、2025年からは4日間開催と徐々に拡張され、現在は他の特別競輪と同じ日程に。
歴代優勝者&開催場・売上推移
ここからはサマーナイトフェスティバルの過去のデータを紹介。
歴代優勝者&開催場、売上推移、3連単出目&配当など、競輪ファンが気になる数字を一挙公開します。
歴代優勝者&開催場
年 | 優勝 | 開催場 |
---|---|---|
2025 | ⁻ | 玉野 |
2024 | 眞杉匠 | 松戸 |
2023 | 松浦悠士 | 函館 |
2022 | 松浦悠士 | 玉野 |
2021 | 松浦悠士 | 函館 |
2020 | 清水裕友 | いわき平 |
2019 | 村上博幸 | 別府 |
2018 | 渡邉一成 | 松戸 |
2017 | 新田祐大 | 伊東温泉 |
2016 | 浅井康太 | 川崎 |
2015 | 近藤龍徳 | 函館 |
2014 | 深谷知広 | 松戸 |
2013 | 佐藤友和 | いわき平 |
2012 | 武田豊樹 | 四日市 |
2011 | 神山雄一郎 | 松山 |
2010 | 成田和也 | 函館 |
2009 | 武田豊樹 | 川崎 |
2008 | 新田康仁 | 四日市 |
2007 | 濱口高彰 | 松戸 |
2006 | 市田佳寿浩 | 函館 |
2005 | 有坂直樹 | 川崎 |
上記はサマーナイトフェスティバルにおける歴代優勝者と開催場。
開催場は持ち回りとなりますが、最多は函館競輪場の5回開催。以下、松戸4回、川崎3回、四日市・いわき平・玉野2回、松山・伊東温泉・別府1回となっています。
サマーナイトフェスティバル売り上げ推移
年 | 開催 | 決勝 |
---|---|---|
2025 | ⁻ | ⁻ |
2024 | 64億6833万2900円 | 10億1556万0000円 |
2023 | 54億8629万6900円 | 7億5731万2000円 |
2022 | 55億5121万7900円 | 7億7052万8800円 |
2021 | 49億6141万7600円 | 6億9986万6300円 |
2020 | 57億4570万8300円 | 7億6259万7100円 |
2019 | 43億6402万0200円 | 6億4954万0200円 |
2018 | 40億3758万8000円 | 5億6417万3700円 |
近年のサマーナイトフェスティバルの開催総売上と決勝戦の売上は上記の通り。
売上低迷期だった2010年代は苦戦傾向にあったものの、コロナ禍から注目を浴び始めて売上は上昇。2024年には64億円を超えるなど、売上は年々上昇傾向に。


3連単出目と配当一覧
年 | 出目 | 2連単 | 3連単 |
---|---|---|---|
2025 | ⁻ | ⁻ | ⁻ |
2024 | 348 | 2,930円 | 16,100円 |
2023 | 217 | 560円 | 4,320円 |
2022 | 267 | 2,930円 | 18,980円 |
2021 | 384 | 2,630円 | 11,570円 |
2020 | 975 | 1,630円 | 20,290円 |
2019 | 548 | 8,610円 | 114,920円 |
2018 | 276 | 6,850円 | 89,830円 |
2017 | 721 | 760円 | 3,130円 |
2016 | 173 | 2,740円 | 19,100円 |
2015 | 578 | 19,710円 | 300,010円 |
2014 | 193 | 1,610円 | 4,570円 |
2013 | 924 | 1,230円 | 15,330円 |
2012 | 321 | 2,850円 | 12,410円 |
2011 | 159 | 11,120円 | 30,160円 |
2010 | 297 | 820円 | 5,680円 |
2009 | 123 | 3,160円 | 14,550円 |
2008 | 523 | 2,240円 | 17,830円 |
2007 | 347 | 1,080円 | 2,510円 |
2006 | 273 | 1,430円 | 8,900円 |
2005 | 438 | 1,740円 | 11,270円 |
上記は、サマーナイトフェスティバルが開始されてから現在までの決勝戦出目と3連単・2連単配当。
2015年の300,010円を始め、過去20回で万車券が14回。高確率で万馬券が発生しており、予想力しがいのあるレースになっています。
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万車券を当てたい人は、以下の予想法を参考に勉強してくれ。


最年少優勝者「深谷知広」「近藤龍徳」
サマーフェスティバル最年少優勝は「深谷知広(96期)」「近藤龍徳(101期)」。


深谷知広はデビューから20連勝を果たし、「平成の怪物」と呼ばれたスーパールーキー。
2011年には高松宮記念杯を優勝。当時21歳でGIでの優勝最年少記録を更新した勢いのまま、2014年のサマーナイトフェスティバルを勝利。
近年はビッグタイトルとは縁がないものの、愛知から静岡に移転。南関の重鎮として、郡司浩平・岩本俊介らと共に活躍中。
献身的な走りで、後輩からの信頼も厚い深谷知広。大舞台の決勝戦に進出できれば、仲間たちとの協力を借りて、表彰台の1番上に立つ可能性は大です。


近藤龍徳は「夜王」の異名を持ち、名古屋で大暴れしたヤンチャボーイ。
「レースに勝つためなら、明日はどうなってもいい」という強靭なメンタルが持ち味で、2014年のヤンググランプリも優勝。
層の薄い中部地区のエースとして期待されたものの、2021年に落車で大ケガをすることに。その後は懸命の治療とリハビリで現役復帰を目指していたものの、2025年4月に引退を表明。
中部地区の復活を願う競輪ファンには残念ニュースとなりました。
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近藤龍徳は、同じ中部地区の山口拳矢とXの裏アカ騒動で大モメしたんだ。詳細は以下を見てくれ。


最年長優勝者「神山雄一郎」


サマーフェスティバル最年長優勝は「神山雄一郎(61期)」。
2011年のサマーフェスティバルを勝利した神山雄一郎は当時43歳。数々のGIを勝利して、獲得賞金29億円を突破したレジェンドは、40歳を超えても特別競輪を勝利する怪物ぶりを見せつけることに。
2011年サマーフェスティバル優勝以来、特別競輪の優勝歴はなかったものの、4年後の共同通信社杯を優勝。47歳で特別競輪を勝利するという奇跡を起こします。
GIを最後に優勝したのは2005年のオールスター競輪。当時の年齢が37歳だと考えると、GI優勝とG2優勝には大きな隔たりがあることが分かります。
神山雄一郎は2024年12月に引退。56歳まで現役を続け、S級を維持していました。化物すぎますw。
実際に起きた事件やハプニング
ここでは、サマーナイトフェスティバルで行った事件やハプニングを取り上げます。
競輪界の「真夏の祭典」の裏では、様々な出来事が起こっているので、レースを楽しむための豆知識として押さえておきましょう。
競輪関係職員が車券購入で懲戒免職
公正に行われることが大前提となる公営ギャンブル。
競輪のみならず、競馬・競艇・オートレースなど、身内による投票券の購入は禁止されています。
選手はもちろん、競輪関係の職員や競輪場のスタッフまで、少しでも競輪と関わる仕事をしている人間は車券の購入を禁止されていますが、サマーフェスティバルで競輪関係の職員が車券を購入するという事件が。
2021年、千葉県松戸市の環境部で働く男性が、別府市で行われたサマーナイトフェスティバル視察時に、600円の車券を購入。自転車競技法に抵触し、書類送検された。
男性は松戸簡易裁判所の判決により、罰金10万円を支払う懲戒処分を受けた。
自転車競技法にて、車券を買ってはいけない人として挙げられている人物は下記の通り。
- 20歳未満の人。
- 競輪に関する政府職員又は競輪施行者。
- JKAの役員
- JKAに加入する選手
- 競輪運営の事務に携わる人
- 車券販売及び整理・警備で競輪場に勤める職員
今回は600円という極めて少額の購入であったことから、10万円の懲戒処分は厳しいようにも感じます。しかし、今回の件を見逃してしまえば、一般の車券購入者の信頼を失い、競輪の未来が崩壊することも。
知れば知るほど、予想の面白さが分かってしまう競輪。競輪の魔力に引き込まれてしまったのでしょう。
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今回の松戸市以外でも、富山市・豊橋市・東京都11市競輪事業組合で、職員の車券購入事件が起こっているんだ。
松浦悠士が前人未到の3連覇
広島競輪場をホームバンクとする松浦悠士(98期)が、2021~2023年まで3連覇するという偉業を成し遂げます。
3連覇を目指すべく臨んだ2023年のサマーフェスティバルは、競輪界最強の男である脇本雄太との連携。
レースは残り1周半となったバックストレッチから、1番車の脇本雄太がスパート。呼応するように2番車の松浦悠士も加速をして、7番車松井宏佑と合わせて3車は先頭を走り続けます。
後続も必死に追い上げるものの、脇本雄太の踏み上げは激しく、差を詰めることが出来ないまま最終ホームストレッチへ。
番手につけた松浦悠士が、しっかりと交わして1着。脇本雄太が2着に残り、ワンツーフィニッシュを決めました。
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競輪界のスイーツ王子として知られる松浦悠士。彼の実績や獲得賞金は、以下から確認してくれ。


まとめ
ここまでサマーナイトフェスティバルの出場資格やレースプログラム、過去のデータや賞金について解説をしました。
2025年からは4日間開催となり、優勝賞金も大幅にアップ。通常のG2レースとして開催される事から、より一層の盛り上がりが期待出来ます。
競輪グランプリ出場を賭けたサマーナイトフェスティバル。気温以上に熱い戦いから目が離せません。
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