2025年2月。S班北井佑季のドーピング違反が発表され、競輪界に激震が走りました。
競輪界のトップに君臨し、他の選手への規範となる存在であるS級S班のドーピングは、ファンへの信頼を失う重大な問題。これによってJKAはドーピング対策の抜本的な改革を打ち出す事に。
そもそもドーピングにはどんな効果があるのか?どんな悪影響があるのか?
ドーピングの説明を行いながら、過去にドーピングした選手の事例。ドーピングが噂される選手の話など、競輪界のドーピングについて徹底的に解説します。
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競輪におけるドーピングとは?
スポーツ界に蔓延するドーピング。
ドーピングはなぜ行われるのか?禁止薬物は何種類存在するのか?体への影響など、ドーピングについて調べてみました。
ドーピングとは?
ドーピングは、以下のように定義されています。
筋力を高めるステロイド、疲労回復を早める効果のある物質、心肺機能を高め血液循環を効率よく行う薬物など、薬物には様々な種類が存在します。
なぜドーピングは禁止なのか?
競輪でドーピングが禁止されている理由は、「レースの公平さが失われるから」。
選手が薬物を投与して、実力以上の力を出してしまうことで、他の選手にとって不利益な状態に。
競輪は公営ギャンブル。車券を購入するファンは選手の力量を判断して、予想を行った上でお金を投じます。ドーピングによって不正が行われると、選手の力関係が変わり、予想は困難に。
このことが続くと「競輪はお金を投じるに値しないギャンブル」というレッテルを貼られ、ファンが離れていき、運営が厳しくなります。
また、禁止薬物を使用するドーピングは、選手の体に様々な悪影響を及ぼします。
社会的にも、人道的にも許される事ではない行為であるため、ドーピングは厳禁とされています。
ドーピングによる体への悪影響
薬物は競技中の身体能力を上昇させる効果がありますが、長期的に見ると身体に害やダメージを及ぼす危険な行為。
- ホルモンバランスの乱れ
- 肝臓や腎臓の障害
- 心臓への負担増加・心停止のリスク
- 精神的な不安定、うつ、攻撃性の増加
- 依存症や中毒性
上記のようなリスクが内包されているドーピング。
倫理的な面からも禁止されるのは、当然の流れだと言えます。
禁止物質は1000種類以上
ドーピングの禁止物質は、1000種類以上存在します。
世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が定める禁止物質の種類は以下の11分類。
- 無承認物質
- 蛋白同化薬
- ペプチドホルモン、成長因子、関連物質および模倣物質
- ベータ2作用薬
- ホルモン調節薬および代謝調節薬
- 利尿薬および隠蔽薬
- 興奮薬
- 麻薬
- カンナビノイド
- 糖質コルチコイド
- ベータ遮断薬
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禁止物質は1000種類以上あるので、具体的な物質を知りたいのであれば、以下を参考にしてくれ
風邪薬やサプリでドーピングになることも
ドーピング判定が出る物質は、特定の危険物質のみならず、身近に摂取できる飲食物から検出される事もしばしば。
1998年のアジア大会でドーピング判定を受けた神山雄一郎。彼は体調不良によって服用した風邪薬によって、禁止物質が検出されました。
- 風邪薬
- サプリ
- 漢方
- 健康食品
上記の製品には、禁止物質が含まれている場合が。
風邪薬やサプリを飲む際には、医師と相談して禁止物質が含まれていないことを確認しながら服用する。トップ選手ほど、徹底的にリスク管理を行っています。
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特に海外製品は禁止物質が検出される可能性が高いんだ
レッドブル・エナジードリンク・コーヒーは大丈夫?



レッドブルやエナジードリンクを摂ると、ドーピング禁止物質が検出されるらしい
ネットでは、上記のような噂がありますが、果たして本当なのでしょうか?
エナジードリンクに含まれるのはカフェイン。カフェインは以前、禁止物質に指定されていましたが、現在は禁止物質にはあたらないよう改定されました。
競輪選手にはコーヒーが大好きな選手が多く、トレーニング前の目覚めの一杯として愛用する選手も。
ナショナルチーム所属の太田海也は、毎朝豆から挽いてコーヒーを作り、楽しんでいるのだとか。



カフェインは、運動中の疲労感の軽減や集中力を高める効果があって、トレーニングとめっちゃ相性がいいんです
JKAのアンチドーピング活動
他のスポーツと同様に競輪界でも、ドーピングを行う選手は存在します。
開催する公益財団法人JKAはどのような対策を行っているのか?JKAのアンチドーピング活動について、調査をしました。
JKAが行っているドーピング対策


JKAは、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)と協力し、WADAコードに基づいたドーピング対策を実施。
ドーピング検査の依頼や教育プログラムの実施などを選手に課しています。
ドーピング検査は、尿・血液検査
ドーピング検査は、尿と血液にて実施。
尿と血液の検体を採取して、禁止物質の含有量を検査。検査はJADAが認定したドーピング検査員(DCP)が行い、検体はWADAが認定したラボに搬送され分析。
検査の精度は高く、ドーピングが見逃される可能性は極めて低いです。
なぜ全選手に検査しないのか?
ドーピングを撲滅する為には、全選手・全レースに対して検査を行うことが理想。
ただ、上記の対応が出来ない理由があります。
- 検査費用が必要
- 検査の人員不足
競輪選手は合計2000人を超える大所帯。開催ごとに全員への検査を行うと莫大な費用が発生。
また、派遣されるドーピング検査員も限られた人数であるため、毎月数千件のドーピング検査を実施することは物理的に不可能。現状を考えると、全選手へのドーピング検査は不可能な状況です。
現在、JKA主導のドーピング検査は、全開催のなかで不作為・不定期に行う形となっています。
しかし、2025年2,3月に発覚した北井佑季・野口諭実可のドーピング違反によって、JKAはドーピング検査の実施要項を変更。
高額を稼ぐトップ選手の検査が必須となりました。
ドーピングによる処分・罰則
ドーピングが発覚した場合の処分は以下の通り。
- 最長1年のあっせん停止処分
- 複数回の違反者に対しては登録削除
以前は、”3ヶ月のあっせん停止処分”という罰則でしたが、2025年2,3月に発覚した北井佑季・野口諭実可のドーピング違反によって、上記のように罰則を変更。
未然にドーピングを防止する為、規定は厳格化する傾向に。
過去にドーピングで処分された選手
競輪選手として決して手をつけてはいけないドーピング。
この禁断の地に足を踏み入れてしまった罪深き選手たちを紹介します。
北井佑季(きたいゆうき)


競輪界に激震が走ったS級S班選手のドーピング違反。
違反者となったのは、2024年高松宮記念杯を勝利した北井佑季。
2024年KEIRINグランプリ出場前に行ったドーピング検査で、禁止物質となっている「メタンジエノン」が検出されます。
2025年2月27日にJKAからドーピング違反の事実がメディアに公開されると、3月1日から3ヶ月のあっせん停止。3月に追加で6ヶ月のあっせん自粛処分が決定し、2025年はレース出場が叶わない状況に。
S班の称号ははく奪。2024年賞金ランキング13位だった犬伏湧也をS班に昇格する対応が取られ、競輪界に大きな話題を提供することになりました。
野口諭実可(のぐちゆみか)


2012年の創設からドーピングとは無縁だったガールズケイリン界。2025年、ここから違反者が発生することに。
違反が認定されたのは、102期の野口諭実可。2025年3月25日、JKAは野口諭実可のドーピング違反を認定してメディアに発表します。
検出されたのは、男性化ステロイド薬「ナンドロロン」を含む3種類の禁止薬物。事情聴取を行ったうえで、正式なドーピング違反と認定して、2025年4月1日から3ヶ月のあっせん停止処分に。
そして、北井佑季と同様に6ヶ月のあっせん自粛処分が決定し、2025年の出場は不可能な状況に。
ドーピング違反に対して、本人からのコメントはないものの、2024年11月には54.80だった競走得点が、翌年1月には53.33に低迷。
今回のドーピング違反は心身にトラブルが原因だったのかもしれませんが、決して許されることではありません。
神山雄一郎(かみやまゆういちろう)


生涯獲得賞金29億円を誇る競輪界のレジェンド神山雄一郎。そんなレジェンドにも、ドーピング検査に引っ掛かった過去があります。
時は1998年のアジア大会。スプリント部門で優勝を果たしますが、ドーピング検査で陽性反応が出たことから、短期の出場停止処分を受けることに。
引っ掛かった原因は風邪薬。体調不良によって服用した風邪薬から、禁止物質が検出されました。故意の服用ではなかったことから処分は軽微なものに。
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薬の服用でドーピングに引っ掛かることは、よくあること。国際大会に出場する選手は、”やりすぎ”なくらいのケアが必要なんだ
伊藤成紀(いとうせいき)


2018年5月全日本プロ選手権自転車競技大会に出場した伊藤成紀。
トラック種目に出場した際に行ったドーピング検査において、筋肉増強効果のある禁止物質が検出。日本アンチドーピング機構は2018年8月8日にこの事実を公表します。



ドーピングした覚えはない
本人は必死に弁明を行うも、自身の意思で摂取を行っていないという供述は行わず。聴聞会への出席も拒否して、予備検体の提出も拒否。
この対応を重く見た日本自転車競技連盟(JCF)は4年間の資格停止処分を下すことに。
ただ、この事件はBMXの大会である”全日本プロ選手権自転車競技大会でのドーピング”ということで、JKAの処分とは別。
2018年7月2日のレース出場から約4ヶ月の自粛。2018年11月13日のレースで復帰を果たしています。
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JKAを中心とする競輪サイドと、JCFを中心とする自転車競技サイドの意思統一が取られていないことも問題の一つだ
寺崎浩平(てらさきこうへい)


2017年、国民体育大会「2016希望郷いわて国体」において、現在S級で活躍する寺崎浩平が禁止薬物使用によって処分を受けています。
寺崎浩平は、この大会の男子ケイリンで優勝。しかし、ドーピング検査によって5種類の禁止物質が検出。
本来であれば、ドーピング検査による資格停止処分は4年が相場。大幅な停止処分の短縮には以下の理由が…
- 自身が摂取したサプリメントを提出して判断を仰いだ
- サプリメントの成分表に、禁止物質が明記されていなかった
- 摂取したサプリメントで、ドーピングに引っ掛かった選手がいなかった
本人が意図してドーピングをしていないということが、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構に加味されたことで、情状酌量を受けた形。
海外で販売しているサプリメントはドーピングに引っ掛かる可能性がある物も多数存在。
選手は、日本アンチドーピング機構が公認するサプリメントを使うことが求められます。
ドーピング使用を噂された選手
競輪界にはドーピング使用の事実はないものの、ファンや他選手からドーピング疑惑をかけられている悲しい選手たちも存在。
噂話の餌食になっている悲運の選手たちを紹介します。
松浦悠士(まつうらゆうじ)


競輪選手が急激に強くなると、ドーピングを疑うファンが現れることも。
2023年にKEIRINグランプリを制した松浦悠士は、トップ選手の中で最もドーピングの疑惑を向けられた選手。
デビューからS級に昇格するまで約5年。競輪学校でも目立った成績を残しておらず、地味な選手だった松浦悠士は2019年に覚醒。
日本選手権競輪・オールスター競輪などを制するなど実績を積み上げると、ファンならず、選手間でもドーピングの噂を立てられることに。
松浦悠士本人は、コラムでも無実であることを証言しており、ドーピングの事実はなさそう。
北井佑季のドーピング違反についても以下のコメントを残しています。
ドーピングは人生を懸けて走っている選手の尊厳を踏みにじる行為で、許せるものではありません。
今の検査体制は十分だとは言えないので、検査の頻度を増やしたり、罰則を厳しくするなどの見直しが行われることを切に願います。
”自身がドーピングを行っていないからこその証言”、だと言えます。
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”競輪界一優しい”と言われる穏やかな性格にスイーツ好き。松浦悠士がどんな人物なのかは、以下を見て学んでくれ


脇本雄太(わきもとゆうた)


ドーピングを疑われることは、裏を返すと競輪選手にとっての名誉。
歴代の競輪選手の中でも、トップクラスの脚力を持つ脇本雄太は、強さを形容される意味で、ドーピングの疑いをかけられることも。
松浦悠士より、脇本の方がドーピングじゃないか?と思ってしまうwww
— R(ねこ)???????? (@re2406ak) April 3, 2021
脇本はマジでドーピング疑うレベルで強いし、とにかくやばい、チートだろ笑
落車で大怪我したことから、最盛期を過ぎたと言われながらも、2024年の競輪祭・2025年の全日本選抜競輪を優勝。
怪物脇本雄太の進撃は止まらない限り、ドーピングを噂するファンは消えないでしょう。
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モデルの美人妻を持つ脇本雄太。プライベートでは麻雀好きなど、変わり者の一面も。詳しくは以下を参考にしてくれ


ドーピングの可能性が極めて低い選手
競輪選手にとって、ドーピング疑惑はファンからの信頼を落とす最も禁止されるべき行為。
そんなドーピング違反に敢然と立ち向かう選手たちを紹介。彼らはドーピングをしている可能性は極めて低いと言えるでしょう。
泉利和(いずみとしかず)


2011年にデビューした98期の泉利和(いずみとしかず)。
デビューから2年半でS級に昇格して、順調なキャリアを築いていたものの、2014年突如引退を発表します。
誰がドーピングをしていたのか?何人くらいの選手がドーピングを行っていたのか?具体的な名前や証拠などを提出してはいませんが、泉利和が引退する際に以下のようなコメントを残します。



クスリを使わないと上の選手には敵わない。競輪はもうウンザリだ
これだけ過激な言葉を残している裏には、何かしらの現場を目撃したと推察できます。同期の辻中国宏には「お前は絶対にやるなよ!」と伝えたのだとか。
真相は闇の中ではありますが、平均年収1300万円を得られるS級の座を捨ててまで引退したことを考えると、競輪界にはドーピングが蔓延している可能性は捨てきれません。
言動・行動から泉利和自身が、ドーピングに手を染なかったことも立証できそうです。
深谷知広(ふかやともひろ)


「平成の怪物」と言われ、デビューから20連勝を果たし、一気にS級へ昇格した深谷知広。
ナショナルチームの経験もある深谷知広は、ドーピングにシビアな見解を持った選手。
S班選手北井佑季のドーピング違反という衝撃的な発表がされた時に、深谷知広は今後のドーピング違反対策として、JKAに以下の提言を行っています。
ドーピング違反防止について思う事。
— 深谷知広 (@tmhrfky) April 8, 2025
選手のドーピング違反を抑止する為には競技参加時の検査以外にも競技外検査を実施していつ検査が行われるか分からない状態を作ることが重要だと思います。…
- レース出場時ではない時にも検査を行う
- 上位の選手は定期的に血液検査を行う
現在の競輪界は、費用の面から大きなレースでも、十分な検査が行き届いていない現状。
検査回数が少ないことから、選手たちに「ドーピングをやってもバレないかも」と思わせる環境を変えることが喫緊の課題であると語っています。
伏見俊昭(ふしみとしあき)


競輪界のレジェンドである伏見俊昭も、ドーピングに対して厳しい意見を持つ選手の一人。
かつてナショナルチームに在籍していたときは、何度も抜き打ちで尿検査・血液検査を実施されることに。
万が一ドーピングが発覚した場合は、年単位の出場停止処分やプロライセンスはく奪などの厳罰を与えられる厳しい状況下で、選手生活を送った伏見俊昭。
体調を崩した時にも薬も飲めず、サプリメントも全て医師による判断を受けており、海外製品には口をつけていなかったのだとか。
苦労を重ねて、数々の実績を出していた伏見俊昭にとって、2024年12月に北井佑季が起こした違反は、故意であれ、過失であれ、許すことが出来ない事件。
ドーピングによる体への副作用や危険性をしっかりと理解して、自身は「神に誓って禁止薬物に手を出した事はない」と宣言する伏見俊昭。ドーピングを行っていない選手だと判断できそう。
まとめ
スポーツに常に付きまとうドーピング問題。検査の精度が上がる一方で、ドーピングの手口も巧妙になっていき、いたちごっこを続ける関係です。
己の体力と脚力の限りを尽くして戦う競輪は、ドーピングによる恩恵が多い競技。
しっかりとしたドーピング対策を行い、クリーンな競輪を見せてほしいものです。
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