競輪の脚質には「先行・追込・自在」の3種類あり、その中でもレース展開を左右する重要な「先行」。車券予想するうえで、抑えておくべき知識の一つです。
そこで今回は、競輪における先行とは何か?種類やそれぞれの特徴を解説しつつ、その特徴を活かした車券予想法を紹介します。
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競輪の先行とは?
競輪における「先行」は、単純にひとつの戦法を指すわけではなく、さまざまな戦法や状況を含んでいます。
先行とは具体的にどんな戦法があり、どのような種類があるのか?まずは先行の基本的なことから、理解していない人も多い暗黙のルールを解説します。
競輪の先行はどんな戦法?
競輪の先行とは「ラインの先頭を走る選手」のこと。
競輪では、同じ地域に所属する選手が協力して「ライン」というチームを組みます。
レース序盤、選手たちは先行誘導員がコースを離れるまで縦一列に並んで走り、ラインの先頭を走る選手は順位に関係なく「先行選手」と呼ばれます。
競馬の先行とは定義が違うので注意が必要だ
競馬の場合、1番前にいる逃げ馬の後ろを走る2~5番手の馬を総じて先行馬と呼ぶ。
先行のメリット・デメリットは以下の通り。
- メリット
-
ラインの先頭にいる競輪選手は自分の判断でペースを上げることが可能。自分でレースを動かせる。
- デメリット
-
風の影響を受ける。最高時速70㎞で走る競輪において、先行選手は激しい風圧を受けることになり、体力の消耗度合いが大きくなる。
先行選手は体力の消耗が大きいため、豊富な体力と、長い距離をスピードを落とさず走れる「地脚型」の選手が向いてます。
先行は抑え・つっぱり・カマシの3種類
脚質 | 特徴 |
---|---|
抑え先行 | レース途中で先頭に立ち、ゴールを狙う戦法 |
つっぱり先行 | スタートからゴールまで先頭を譲らない戦法 |
カマシ先行 | 全体の速度が上がる前に一気に加速する戦法 |
競輪の先行は「抑え先行・つっぱり先行・カマシ先行」の3種類。
上記戦法はラインの先頭に立ってゴールを目指すという点では同じですが、加速するタイミングが異なります。では、それぞれの脚質を見ていきましょう。
抑え先行
- 体力の消耗を抑えられる
- 他のラインを封じることができる
- ブロックによる不利をうける
- ラインが崩れるリスクがある
「抑え先行」は、周回中後方に位置し、勝負所で先頭に立つ戦法。最も多くの先行選手がこの戦法を用います。
自分が仕掛けるまでラインの後ろで待機できるため、体力の消耗を抑えられる点がメリット。また、他ラインの前に出ると、そのラインは減速を余儀なくされ、ライバルを厳しい展開に追い込むことが可能。
減速した後の再加速は大きな負担になるんだ
一方で、後方から前線へ進出する際には、前の選手にブロックされるリスクも。外に振られることで距離ロスを被る不利を受け、場合によっては落車の可能性も。
さらに、先行選手がスパートを仕掛けた際、番手や3番手の選手がついてこられず、ラインが分断されることもあります。
つっぱり先行
- ラインの維持が容易
- ペースをコントロールしやすい
- 体力の消耗が激しい
- 他選手の仕掛けを許すと脆い
「つっぱり先行」は、常に隊列の先頭に立ち、他選手を抜かせない戦法。
つっぱり先行のメリットは自分でペースをコントロールできる点。他選手の仕掛けがない限りは、体力の温存が可能。ラインも崩れることなく安定したレース運びができます。
その一方で、つっぱり先行は常に強い風圧を受け、他のラインが仕掛けてきた際にはペースアップが求められる。体力の消耗が最も激しい戦法で、他選手の捲りを許してしまった場合、立て直すことが難しい。
つっぱり先行には、「徹底先行」と呼ばれる戦法がある
徹底先行とは、スタートからゴールまで自分のペースで逃げ切る戦法。つっぱり先行と同じように思えますが、若干ニュアンスが異なります。
徹底先行 |
自分で積極的に速いペースを作り、2番手以下の選手たちに体力を使わせ、先頭のまま逃げ切る戦法。 |
つっぱり先行 |
緩いペースで体力を温存。他選手が上昇した時、相手に合わせてペースアップして先頭のポジションを維持する戦法 |
カマシ先行
- 決まると後続に決定的な差をつけられる
- 相手の体力を削れる
- 仕掛けのタイミングが難しい
- スタミナの消耗が激しい
「カマシ先行」は、他選手がペースアップしていない状態で一気に加速する戦法。
相手を出し抜くことで、後続を大きく引き離せる奇襲戦法。慌ててペースアップする他選手の体力も削れるため、カマシが決まるレースは見ると爽快な気分になります。
一方で、誰よりも早く全力で走り出すため、スタミナの消耗度合いが大きい。仕掛けが失敗した場合、脚をなくして惨敗するリスクも。
逃げ・捲りはどちらも先行
競輪の脚質は「先行・追込・自在」の3種類。
出走表を見ると選手の脚質は「逃」「追」「両」、選手の決まり手は「逃」「捲」「差」「マ」と別の表記がされており、先行と逃げの違いが分かりづらいかもしれません。
ここで「先行」「逃げ」の関係性を整理しておきます。
先行=逃げ
出走表に「逃」の記載がある選手は先行策を取ります。ただ、直近4ヶ月の成績欄にある決まり手の「逃・捲」は、同じ先行脚質ながら別の意味を持ちます。
脚質 | 意味 |
---|---|
逃げ | ラスト1周段階で先頭に立った先行選手がゴールする |
捲り | ラスト1周を通過した後、先頭に立った先行選手がゴールする |
逃げも捲りも「先行の一部」ですが、早めに先頭に立って押し切った場合は「逃」、ラスト1周を通過した後に捲った場合は「捲」とカウントされます。
この違いは予想時に重要な指標。大体でいいので覚えておくようにしましょう。
「先行一車」がもたらす特殊な展開
先行一車とは、先行選手が1名しかいない展開のことです。
通常、先行選手の数だけラインが形成されますが、レースによっては先行選手が1人しかいないレースも。この展開を「先行一車」と言います。
レースは各競輪場で番組構成を担当する人たちによって編成されるため、先行選手が1人しかいない「先行一車」の展開は人為的に組まれたもの。
ただし、全体から見ると非常に少なく珍しい形式のレースです。
先行一車の頻度は100レースに数レースぐらいしかない印象
- 競り掛ける選手不在で、マイペース濃厚
- 追込選手同士の潰し合いが発生
- 先行選手の実力が上である可能性アリ
先行選手が1人しかいない展開では競り掛けてくる選手がおらず、無理のないペースで逃げることが可能。
また、後続の選手は有利な番手・3番手の位置を取りたいと考え、ポジションの奪い合いを始めます。こうした展開になった場合、先行選手にはかなり有利なレースとなるでしょう。
以下は直近2ヶ月間の集計データ。
率 | 先行一車 | 平均 |
---|---|---|
勝率 | 31.1% | 11.2% |
2着率 | 18.8% | 11.1% |
連対率 | 49.9% | 22.3% |
競走得点が低く、能力の低い選手でも好走率は上昇。先行一車によって受けられる恩恵の大きさが分かります。
「先行一車は黙って買い」という格言もあるぞ
先行一車と似た自力一車
先行選手1人+捲り選手不在
先行一車は他に捲ってくる選手がいる場合、奇襲を受ける可能性があります。
対して、自力一車は捲る選手がいないケース。完全に先行選手1人がペースを握っているため、奇襲を受ける心配がなく展開利にレースを運ぶことが可能です。
自力一車は先行一車よりも”激アツ展開”となることが多い
B・H・Sを活用した展開予想
種類 | 意味 |
---|---|
B | 最終周回のバック・ストレッチ・ラインを先頭で通過した回数 |
H | 残り1周時点のホーム・ストレッチ・ラインを先頭で通った回数 |
S | スタート直後に先頭誘導選手の直後についた回数 |
先行選手がどの位置につけるのかは「B・H・S」の数字から予想が可能。
H・Sが共に高い選手。
スタート直後に先頭誘導選手の後ろに位置して周回。最終周回のホーム・ストレッチ・ラインも先頭で通過しており、常に先頭を走る選手であることが分かる。(Bも同じだけ高い場合、強い選手)
Sが低く、H・Bが高い選手。
スタート直後は別ラインの後ろで周回。最終周回のホーム・ストレッチ・ライン、またはバック・ストレッチ・ラインで先頭に立っていることから、途中で先頭に立っていることが分かる。
出走表は予想に役立つ情報の宝庫。
特に「決まり手・勝率・連対率」は先行選手の実力を測る指標となります。
以下の記事を合わせて読むと参考になるのでぜひ!
先行選手に関する暗黙のルール
- 前日のコメント通りにラインを組む
- 番手は直線まで先行選手への捲り禁止
- 先行争いに敗れた選手は後退
競輪ではレースの秩序を守るため、公式ではない暗黙のルールが存在。
この暗黙のルールを「競輪道」と呼ぶ人もいる
選手はレース前日にラインに関するコメントを発表します。
コメントと違う行動を取ることは、ラインを基に車券を買う競輪ファンを裏切る行為。「ファンあっての競輪」を守るため、選手たちは必ずコメント通りにラインを組みます。
また、番手選手は直線前での先行選手追い抜きは禁止。そもそも有利な番手をさらに勝ちやすくしないための競輪道です。※後方から捲りがあった場合を除く。
レースを見ていると先行争いに敗れた選手が急に減速して下がるシーンが見受けらます。これは八百長ではなく暗黙のルールのひとつ。
上位争いが不可能となった選手がもがくと落車などのケガに繋がるため設けられています。
暗黙のルールを破る選手は信頼を失い、同僚やファンから嫌われる原因となる
先行の特徴を活かした車券予想法
先行には有利条件がいくつもあるので、予想精度を向上させるために必要な”5つの車券応用術”をまとめておきます。
長い隊列のライン
長い隊列のラインは先行選手に断然有利。
後方のラインが捲りにかかる際、ラインが長いほど抜かす人数が増えます。追い抜きが困難になり、番手選手もブロックをかけやすく捲られリスクが軽減。
特にラインが2本の「二分戦」は、長い隊列の方がアドバンテージは大きくなります。
つっぱり先行と長い隊列は相性がいいぞ
強い追込選手がラインにいる
ラインに強い追込選手がいると先行選手は有利です。
外から捲る選手をブロックする役割がある番手選手。特に、ブロック技術に優れた実力者であれば、捲りを狙う選手を巧みに押さえ込み、先行選手に有利な展開を作ってくれます。
ホームバンクが同じ競輪場・同じ県である場合は特に、結束力が高まりブロック力が上昇しやすいでしょう。
「差し」「マーク」の多い選手はブロック技術が高い選手だ
みなし直線が短いコース
みなし直線が短いコースは先行選手が有利。みなし直線とは、最終コーナーからゴールまでの直線のことです。
番手選手・3番手選手は、直線に入ってから先行選手を抜きにかかるため、直線が短ければ短いほど有利に。
以下は「みなし直線が短いコース」のランキング。
順位 | 競輪場 | みなし直線 | 周長 |
---|---|---|---|
1位 | 小田原 | 36.1m | 333m |
2位 | 奈良 | 38.0m | 333m |
3位 | 松戸 | 38.2m | 333m |
4位 | 佐世保 | 40.2m | 400m |
5位 | 防府 | 42.5m | 333m |
6位 | 富山 | 43.0m | 333m |
7位 | 伊東 | 46.6m | 333m |
8位 | 前橋 | 46.7m | 335m |
9位 | 向日町 | 47.3m | 400m |
10位 | 西武園 | 47.6m | 400m |
みなし直線が短いコースは周長333m・335mの競輪場に見られる傾向で、先行選手が有利な競輪場だと言えます。
過去の歴代高配当ランキングを見ると、1位奈良・2位小田原・3位富山と333mバンクのワンツースリー。先行選手が有利なコースでは波乱が生まれる結果に。
競輪の歴代高配当ランキングは以下で解説しているぞ
ミッドナイト競輪の特殊ルール
公営ギャンブルの中で最も遅い時間帯に開催されるミッドナイト競輪。21時前から第1レースが始まり、最終レースが終わるのは23時30分頃。
真っ暗な中で行われるミッドナイト競輪には日中に行われる競輪とは違う点があります。
- 周回数が少なく、走行距離が短い
- 7車立てのレース
- 競走得点順に車番決定
走行距離が少なく、体力の消耗を抑えられるミッドナイト競輪は、先行選手にとって絶好の舞台。
他のレースは”番手有利”と言われていますが、ミッドナイトに限っては「先行ー番手」で決まりやすい傾向。この特徴を知らずに参戦するべからず!
たまに荒れるレースもあるけど、基本は堅い決着が多め
ケガを恐れる雨天時のレース
雨天時は先行選手に有利に働く状況。その理由は「落車によるケガを恐れるため」。
当然ながら、濡れたバンクはいつもよりスリッピー。最大時速70㎞、太さ2.2㎝の細いタイヤで走る選手にとって、落車の可能性が高まる危険なコンディションとなります。
競輪は選手が落車してケガをした場合、療養期間は無収入になる厳しい世界。
そのリスクを避けるため、無茶な競り掛けをしない雨天時のレースは先行選手が逃げ切りやすい舞台となるのです。
まとめ
競輪における先行の種類、先行の特徴を活かした車券予想法を紹介しました。
先行選手のメリット・デメリットを理解しておくことで、競輪を楽しみは深くなり、ワンランク上の予想が出来ます。しっかりと頭に入れておきましょう。
先行選手の特徴を見極めれば、予想力アップ間違いなし!
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